うつ病の症状

「心」と「体」の両方にあらわれます

うつ病というと、気分の落ち込み(抑うつ気分)や不安、集中力の低下など精神面での症状(精神症状)が注目されがちですが、実は、身体にもさまざまな症状(身体症状)が現われます。不眠や食欲の減退の他、体のだるさ、めまいや肩こりなど、患者さんによって症状はさまざまです。

身体症状の方が強く出て、精神症状が隠れてしまっている場合は、特に「仮面うつ病」といいます。仮面うつ病の方は精神症状の自覚が薄いため、うつ病であることに長い間気づかず、内科や循環器科など、身体に関するさまざまな診療科を回って検査を繰り返します。最後に抗うつ剤の服用で症状が改善し、はじめて自分がうつ病であったことに気づくというケースは、決して少なくありません。

もちろん、似たような症状であっても、本当に身体が原因の不調で、内科などでの治療が必要なこともあります。また、仮面うつ病は、精神症状が強いうつ病よりも症状が軽いともいわれていますが、うつ病に変わりはありません。適切な治療を受けないままでいると重症することがありますので、原因不明の疲労感や肩こりなどの不定愁訴が長く続いているなら、メンタルクリニック(心療内科・神経科・精神科)を受診してみてはいかがでしょうか。

心に関する症状(精神症状)

・・・など
(メンタルクリニックいたばし ホームページより)

体に関する症状(身体症状)

・・・など

うつ病の症状に関する厚生労働省の資料

(厚生労働省 総合サイト「みんなのメンタルクリニック」より)

うつ状態で一般的にみられる症状

(宮岡等:内科医のための精神症状の見方と対応、医学書院、1995を厚生労働省が改変)

1.自分で感じる症状

憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、不安である、イライラする、元気がない、集中力がない、好きなこともやりたくない、細かいことが気になる、悪いことをしたように感じて自分を責める、物事を悪い方へ考える、死にたくなる、眠れない

2.周囲から見てわかる症状

表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増える

3.体に出る症状

食欲がない、体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛、肩こり、動悸、胃の不快感、便秘がち、めまい、口が渇く

うつ病について